地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来、何か……すげぇ可愛い」
 そう言った明人くんは片手で口元を覆って視線をあたしからそらした。


 二人の反応に首を傾げながら、考える。

 みんなには今の髪型を褒められるし、可愛いと言ってもらえている。


 でも、昨日久保くんに言われたときのようにはならないな。

 ドキッとして、嬉しいけど恥ずかしいような気持ち。

 みんなと何が違うんだろう?


 さらに首を傾げてムムムッと考えていると、その久保くんが教室に入ってきた。

 隣の席に来た久保くんに「おはよう」と笑顔で挨拶をすると、いつものように「はよ」と短い挨拶が返ってくる。

 でも、今日は何だかそれだけだと寂しいなと思ってさらに言葉を投げかけてみた。


「ね? 今日の髪形はどうかな? 昨日はおろしてたから、印象違うでしょう?」

 いつものおさげだけだと地味にしか見えないけれど、今の状態だとみんなにも可愛いと言ってもらえてる。

 だから、髪を下した状態を知っている久保くんはどう思うのかな? って疑問もあった。


「っぅえ!? そ、そりゃあ……可愛いに、決まってる……」

 あたしに質問されると思っていなかったのか、思った以上に驚く久保くん。

 しかも最後の方は声が小さくなって聞き取りづらい。
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