地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
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 しのぶに呼ばれて、明るいうちに着替えてしまおうと彼女が作った衣装を着る。

 なんていうか、シンプルなんだけど凝ってる衣装。

 ロングスカートのワンピースタイプで、胸元から切り返しになって開くようになっていた。

 その部分に綺麗な和柄の布が付けられている。


「かぐや姫をイメージしたから色々つけちゃったけど……うん、なかなかいいんじゃない?」

 と自分の衣装を自画自賛していた。


「すごいね……十二単(じゅうにひとえ)をイメージしたって言ったっけ? 面白いね、こんな風に出来るんだ」

「まあ、ワンピースタイプだし本当に布を重ねる事はできないから、あくまでイメージなんだけどね。良い柄の布があって良かったよー」

 満足そうにニコニコと解説するしのぶ。

 でもこの衣装を作るのにお金を使わせてしまったんじゃないかな?
 特に和柄の布なんてそこそこしそうな物に見える。


 うう……でも今は金欠で……。

 遥華の店でこの間の服代も支払って来たので、本気で使えるお金がない。


「ありがとう。でもごめんね、結構お金かかっちゃったでしょう? 来月なれば払うから」

 申し訳なく思いながらそう言うと、しのぶは「気にしないでよ」と笑った。
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