地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「ああ、サンキュ。マジで助かった」
「どういたしまして」

 ちょっとでも助けになれて良かったな、と微笑む。

「っ!」

 すると、そんなあたしの顔を見た久保くんは何故か驚いたように息を呑んだ。


 どうしたっていうんだろう?


 キョトンとするあたしから目をそらした久保くんは、「あ……えっとー……」と言葉を探し始める。

 何か困らせちゃった?
 でも迷惑って感じじゃないけど……。

 なんて考えながら彼の言葉を待つ。


「あ、そういえば何持ってきたんだ? お見舞いとか言ってたけど……」

「え? あ、そうそう。大したものじゃないけど……食べて?」

 言われて思い出し、あたしは袋からコンビニスイーツを取り出した。

 カップに入った状態のケーキ。
 食べれないのもあるかもしれないから、ショートケーキタイプのとティラミスのにしてみた。


「この間あたしが髪切られたときケーキ持ってきてくれたでしょ? そのお礼も兼ねてってことで。……本当はちゃんとしたケーキ屋さんで買いたかったんだけど、時間なかったから」

「……気にしなくていいってのに……でも、ありがとな」

 そう言って笑ってくれてホッとする。
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