地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 勇人くんはあたしの言葉に「やっぱり生徒会長が絡んでたのか」と納得の声を口にして追加の説明をしてくれた。


「まず、二年前の美来を見た三年生以外はみんな《かぐや姫》を探すことに多少なりとも不満に思ってたんだ」

「当然だよな? 三年生だけが躍起(やっき)になって、二年探しても見つからない女を未だに探し求めてる。一、二年生からしたら見つかるわけないって思うし、《かぐや姫》にそこまでの魅力が本当にあるのか? って疑問にも思う」

 明人くんも加わった説明に、「まあそうだよね」とあたしも納得の声を上げる。


「でも、一昨日の夜二年前を再現したかのように《かぐや姫》である美来が現れて歌った」

「みんな聞き惚れてたぜ? だから抗争も止まったんだし」

 またナイフまで持ち込まれた抗争が止まってくれたのは本当に良かったと思う。

 でもそれでどうして一、二年生まで以前よりも本気になってあたしを探すことになるんだろう?


 やっぱり分からないあたしに、二人はそのそっくりの顔を同じように呆れたものに変えた。

「美来……まだ分かんねぇの?」

「俺今みんなが聞き惚れてたって言ったよな?」

 明人くんの確認に「うん」と答えると彼は更に呆れた顔になってため息をついた。
< 465 / 878 >

この作品をシェア

pagetop