地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 今日のあたしは白地のワンピースにデニムジャケットというシンプルだけど可愛いコーディネートだ。

「うん、どうかな?」

 ワンピースのスカート部分を少しつまみ上げて意見を聞いてみる。

 すると久保くんは「そりゃ、可愛いに決まってる……」と視線をそらしつつも答えてくれた。

「へへ……ありがとう」

 やっぱり久保くんに可愛いって言われると一番嬉しい気がするな。
 言われ慣れているはずなのに、どうしてだろう?


「そ、それはそうと。お前《かぐや姫》だってバレたのにまだそんな恰好するのか?」
「あ、これ?」

 言われて三つ編みの一つを手に取る。

 久保くんの言う通り、バレたにも関わらずあたしはいまだに三つ編み眼鏡の状態だった。


「あたしとしては眼鏡はともかく三つ編みは止めたかったんだけどね。奏が念のためこの格好続けろって言うから……」

 三つ編みはケンカのとき掴まれたりするから本当に困ってる。
 でもこの格好を続けておけば、見た目だけで寄ってくる奴は確実に減らせるからって言われたから……。

 八神さんや如月さん、《月帝》と《星劉》の人達。
 彼らだけでも結構な数で、追われたり迫られたりするのかと想像するだけでもちょっと恐怖だ。

 そんな状態でさらに追いかけてくる人が増えるのは遠慮したい。
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