地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 というわけで、一応このままの格好でいるんだ。


「あ、でもカラコンは止めたんだよ?」

 ほら、と眼鏡を取ってよく見えるように久保くんを見上げる。

「っ!」

 すると彼は握った拳を口元に当て、サッと目をそらした。

 別に見たくなんかないってことかな? と、ちょっとショックを受けたけれど、耳を赤くした久保くんは嫌がっている様には見えない。


「ちょっ、待て。今の俺にお前の素顔はほとんど凶器なんだよ」

「……なにそれ?」

 でも口にされた言葉はやっぱり嫌がっているとしか思えないもので不満に思う。

 凶器って何?
 久保くんから見たらそんなにひどい顔してるってこと?

 ……さっきは可愛いって言ってくれたのに……。

 落ち込むと、少しは見慣れたのかあたしに視線を戻した久保くんは軽く深呼吸してちゃんと話してくれる。


「お前さ、素顔がめちゃくちゃ可愛いって自覚本当にあるのか?」

「……一応、あるけど……」

 可愛いと言ってもらえたことでひどい顔だとは思っていないのかな? と少し気分が上昇する。

「じゃあ、その顔でジッと見られたり笑顔を向けられたら周りがどうなるのかって自覚は?」

「え? 何? どうにかなっちゃうの?」

 言いたいことの意味が分からないのでそのまま聞いた。

 すると、大きなため息を吐かれる。
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