地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「え? あ、おはよう。……どうしたの? 一緒に学校行くの? 久保くんいつもギリギリなのに……珍しいね?」

 挨拶を返しつつ、珍しい状況に疑問を次々と投げ掛ける。


「本当に珍しいな? なんだ? 美来の護衛か?」

 奏も同じく珍しく思ったみたいでそんな冗談を口にした。

「まあ、そうだな。八神さんに指示されたんだよ」
「は?」

 冗談が冗談じゃなかったことに流石の奏も呆気にとられてるみたい。

「なんか昨日までのうちに第一学生寮のやつらが凄いことなってるみてぇだな。とにかく美来を守れってメッセージが来てたんだよ」

「……え? うそ、守られなきゃいけないほどのことになってるの?」

 しのぶにも念を押されたし、行きたくないなぁとは思っていたけれど……守りが必要と思われるほどのことになってるなんて……。


 え? 本当に行きたくなくなってきたんだけど。

 そうしり込みしていると。


「お、美来ー」
「おっはよー。学校行こうぜー」

 下の第二学生寮の入り口付近から同じ声が二つ掛けられた。

「え? 勇人くんと明人くん? どうしたの朝から」

 驚き、急いで階段を下りると双子が揃って立っていた。
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