地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「如月さんが美来の護衛に行けってさ」
「本当は如月さんが来たかったみてぇだけど、下のやつらは総長じゃないと抑えられねぇからな」

 苦笑いというか、もはや呆れた表情で勇人くん、明人くんの順で言う。
 追いついた奏と久保くんが「そっちもかよ」と呟いていた。

「……ってことは、本当にすごいことになってるってこと?」

 やっぱり行きたくない。
 明日の方が少しは落ち着くんじゃないのかな?

 真剣に今日休むことを考えだしたあたしに、第一学生寮の様子を知っている双子は「うーん」と唸って教えてくれる。


「凄ぇ騒ぎにはなってるけど、疑ってるやつと信じてるやつが半々って感じだな」
「信じてるやつらは総長たちや生徒会長に目をつけられたくねぇから多分大人しくしてるけど……」

 明人くんにそこで言葉を切られ、聞きたくないけどつい「じゃあ、疑ってる人たちは?」と続きを促してしまう。
 続きを口にしたのは勇人くんだ。

「疑ってるやつらが、『眼鏡と髪ゴム取って確かめてやろうぜ!』とか言って盛り上がってた……」

「……」

 小学生か⁉って突っ込みたくなったけれど、実際にそう言って追いかけまわされたらたまらない。
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