地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「……ねえ、奏。眼鏡取って髪解いていい?」

 この際全部さらしてしまった方がいいんじゃないかな?

 きっとそういう奴らは実際に確かめてみるまで納得しないだろうから。


「ああ……いや、待て」

 あたしの言葉に同意しかけた奏だったけれど、途中で止める。

「待てって何? こんな状態になっても続ける意味あるの?」

 双子の話を聞いてもまだ止めてくる奏に不満を覚える。
 でも次の奏の言葉は止めるようなものじゃなかった。

「今から取って行ったら本当に美来なのか?って疑われそうだからな。学校行ってから外して見せた方がいいだろ」
「ああ、確かに」

 地味なあたしと眼鏡を外した状態のあたしがイコールにならなきゃ意味ないもんね。

 納得していると。


「でも見せ終わったらまた眼鏡かけて三つ編みにしろよ?」

「え⁉ なんで⁉」

 戻せと言われて思わず声を上げる。
 そのままもうこの格好しなくても良いよね、って思ってたから。

「……写真とか勝手に撮られたくないだろ?」
「え? まあ、それは確かにだけど……」

 でもそういうのは地元ではよくあったことだし……。

 そう思うけど、確かに勝手に撮られるのは嫌なことだったからそれ以上は何も言わなかった。
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