地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
すると、話が終わるのを待っていたらしい勇人くんが口を開く。
「話終わった? じゃあそろそろ学校行こうぜ。普通に遅刻するぞ?」
そうしてあたしたちは五人でぞろぞろと登校することになった。
***
これはいったいどういう状況なんだろう……?
噂の渦中のあたしが注目されているのか、単純に久保くんや双子が揃って登校していることに注目されているのか分からないけれど、多くの視線を浴びながら何とか校門にたどり着いた。
すると、そこには二つの勢力がにらみ合っている光景が繰り広げられていたんだ。
「素顔の美来さんはとっっっても可愛かったわ! やっぱり彼女はカッコイイのではなくて可愛いのよ!」
自慢げに胸を反らして対面する相手にそう主張するすみれ先輩。
その後ろでは、いつの間にか増えていた《美来さんは可愛いファンクラブ》の人たちが「そうだそうだ!」と声を上げる。
合間に。
「でも有栖川先輩だけずるい!」
「そうよね、私たちだって美来さんの素顔見たいのにー!」
なんて声も聞こえた。
「素顔を見たからってどうだというの? 彼女の内面からにじみ出るカッコよさが分からないなんてやっぱりあなたはまだまだね」
すみれ先輩の言葉を鼻で笑うのは宮根先輩だ。
その後ろには、少数とはいえこちらも増えた様子の《美来様イケメン女子ファンクラブ》のメンバーがうんうん頷いている。
「話終わった? じゃあそろそろ学校行こうぜ。普通に遅刻するぞ?」
そうしてあたしたちは五人でぞろぞろと登校することになった。
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これはいったいどういう状況なんだろう……?
噂の渦中のあたしが注目されているのか、単純に久保くんや双子が揃って登校していることに注目されているのか分からないけれど、多くの視線を浴びながら何とか校門にたどり着いた。
すると、そこには二つの勢力がにらみ合っている光景が繰り広げられていたんだ。
「素顔の美来さんはとっっっても可愛かったわ! やっぱり彼女はカッコイイのではなくて可愛いのよ!」
自慢げに胸を反らして対面する相手にそう主張するすみれ先輩。
その後ろでは、いつの間にか増えていた《美来さんは可愛いファンクラブ》の人たちが「そうだそうだ!」と声を上げる。
合間に。
「でも有栖川先輩だけずるい!」
「そうよね、私たちだって美来さんの素顔見たいのにー!」
なんて声も聞こえた。
「素顔を見たからってどうだというの? 彼女の内面からにじみ出るカッコよさが分からないなんてやっぱりあなたはまだまだね」
すみれ先輩の言葉を鼻で笑うのは宮根先輩だ。
その後ろには、少数とはいえこちらも増えた様子の《美来様イケメン女子ファンクラブ》のメンバーがうんうん頷いている。