地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「そんなわけないじゃない。あんな、あたしを一番に見ない男。この学校のセフレの中では一番みたいだったから相手してあげてただけよ」

「……」

 あまりにもな言い分に絶句してしまう。


「なあ美来。俺らももう帰ろうぜ?」
 会話が途切れたのを見はからってか、勇人くんが腕を引っ張る。

「片付けも済んだしな。もう用事はねぇだろ?」
 明人くんもあたしの手を掴み出入り口に誘導する。

「あ、うん……」

 未だにあたしを睨んでくる派手女子を気にしながらも、確かに用事はないので促されるままに出入り口に足を向けた。

「ねぇ」

 でも、彼女の方から声が掛けられる。


「あんた、生徒会長や総長たちが探してた《かぐや姫》だったんでしょ?」

「あ、うん……」

 一瞬否定したくなったけれど、もうお披露目もしてしまったし認めるしかないと思って頷く。


「あたしも食堂であんたの素顔見たし、それ自体には納得してるけど……」

 ぶしつけな眼差しであたしを上から下までジロジロ見てくる。

「でもそうやってチヤホヤされて、良い気にならないでよね」

「良い気にって……」


 いや、久保くんや双子はともかく、あのTOPの三人にはチヤホヤされたくないんだけど……?

 そこを突っ込もうか悩んでいると、彼女はまた強くあたしを睨みつけた。
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