地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「あたしは鈴木香梨奈。覚えてなさい、あたしはあんたを許してないから」
「は?」
許してないって、何を?
少なくともあたしは彼女に直接何かをした覚えはない。
久保くんと保健室に一緒にいたとき、彼が彼女――香梨奈さんじゃなくてあたしを選んだことで恨まれてるっぽいのは知ってたけど……。
でもここまで睨まれるようなことなの?
むしろあたしが不良をけしかけられて怒りたいくらいなのに。
「保健室のときも、倉庫のときも。あんたはあたしに恥をかかせたのよ?」
「それはお前が勝手にそう思ってるだけだろ⁉」
明人くんが代わりに怒ってくれるけれど、香梨奈さんは「うっさい!」と物凄い形相で彼のことも睨んだ。
「そうやって守られてるところもムカつくのよ!」
「な⁉ 別に守って貰ってるわけじゃ――」
「どうとでも言えるわよね。あんたはみんなに求められてる《かぐや姫》なんだもの」
明人くんたちはたまたま一緒にいただけだし、第一あたしは守って貰わなきゃならないほど弱くない。
でも、香梨奈さんには今見えている光景が全てみたいだ。
「とにかく、許さないから」
睨みつつも今は怒りを抑えた彼女は、そう言い残して体育館倉庫から出て行った。
「は?」
許してないって、何を?
少なくともあたしは彼女に直接何かをした覚えはない。
久保くんと保健室に一緒にいたとき、彼が彼女――香梨奈さんじゃなくてあたしを選んだことで恨まれてるっぽいのは知ってたけど……。
でもここまで睨まれるようなことなの?
むしろあたしが不良をけしかけられて怒りたいくらいなのに。
「保健室のときも、倉庫のときも。あんたはあたしに恥をかかせたのよ?」
「それはお前が勝手にそう思ってるだけだろ⁉」
明人くんが代わりに怒ってくれるけれど、香梨奈さんは「うっさい!」と物凄い形相で彼のことも睨んだ。
「そうやって守られてるところもムカつくのよ!」
「な⁉ 別に守って貰ってるわけじゃ――」
「どうとでも言えるわよね。あんたはみんなに求められてる《かぐや姫》なんだもの」
明人くんたちはたまたま一緒にいただけだし、第一あたしは守って貰わなきゃならないほど弱くない。
でも、香梨奈さんには今見えている光景が全てみたいだ。
「とにかく、許さないから」
睨みつつも今は怒りを抑えた彼女は、そう言い残して体育館倉庫から出て行った。