地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 その意味にやっと気づいたあたしは、久保くんほどではないにしても顔を赤くさせてしまう。


 そうだ。
 仕切り直しの“告白”を待っているって言ったんだ。

 普通振る場合はそんなこと言わないだろし、これはその告白をOKするって宣言したみたいなものなんじゃない⁉

 それに気付いてアワアワと内心慌てふためいていたら、後ろから声が掛けられる。


「美来? こんなとこで突っ立ってどうしたんだ?」
「久保と昨日のこと話してたのか? あいつなんかフラフラしてたけど……振ったのか?」

 勇人くんに声を掛けられて、明人くんが何だか嬉しそうに笑いながら言う。

「え⁉ い、いや。振ってはいないよ⁉ 仕切り直ししたいって言われただけ!」

「なーんだ。でもま、確かにあれは仕切り直ししたいよな」

 ニヤニヤと、明人くんは面白がってるみたいだ。

 でも、勇人くんは冷静にあたしを見てくる。


「……で? 美来はなんで顔赤くしてんの?」

「え⁉」

 流石にそんなすぐには顔の赤みは引かなかったみたい。
 勇人くんに突っ込まれてしまった。

「は……いや、ちょっと変なこと口走っちゃって恥ずかしかったって言うか……」

 告白を待っているなんて言っちゃったと知られるわけにもいかず、もごもごと誤魔化した。
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