地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「あの、さ……二人とも何で今日はそんなべったりしてくるの?」

 このまま如月さんに睨まれ続けたくないので、原因究明のためにも聞いてみた。

「そりゃあ美来のことが好きだからに決まってんじゃん」
「いっつも一緒にいられるわけじゃねぇんだ。一緒にいるときくらいべったりでも良いじゃねぇか」

 勇人くんがサラリと当然のようにあたしを好きだと言い、明人くんがこれまた当然のように一緒のときはべったりするんだと言う。

「何? まさか俺の告白忘れたなんて言わねぇよな?」

「忘れてはいないよ?」

 忘れてはいない。
 でも前までも結構絡んで来てたし、態度がそこまで変わった感じもしなかったから……。

 今までとの違いを感じていなかったから今みたいにべったりされるとは思っていなかったと言うか……。


「なあ美来」

 明人くんの声に答えていると、勇人くんがあたしを呼ぶ。

 見ると、色々と吹っ切れたような表情をしていた。


「俺も美来が好きだよ」

「っ!……ありがとう……」

 さっきも言われたけれど、改めて告白されて本気の他やつだと分かる。

 返事を求められてる感じはしなかったから、お礼しか口に出来なかった。
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