地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「もしかして美来、恋でもしてる?」

「ぅえっ⁉」

 突然言い当てられて、不意打ちに顔がカァッと熱を持つ。

「え? うそ、本当に?」

 言い当てておきながら遥華も驚きの表情になる。
 でもすぐにニヤァとなって追及してきた。

「誰? 銀星なわけはないよね? 同じ学校の人?」

「なっ⁉ 恋してるなんて言ってないよね⁉」

「言わなくても分かるって。美来顔に出過ぎだもん」

「……」

 いつもながら表情でバレバレだったみたい。
 否定しようにも、もう遥華の中ではあたしに好きな人がいるという事になってるようだった。


「ねえねえ、どんな人?」

 そう言ってあたしの好きな人を聞き出そうとしてくる彼女は、グイグイ来るけれど押しすぎないというショップ店員のスキルを駆使してくる。

 結果、バスに揺られている間にあたしの好きな人が誰なのかはしっかり知られてしまった……。


「うう……別に隠してるわけじゃないけど、あまり言いふらさないでね?」

 というより、隠し切れないんだけれどね。

 全く、あたしの表情筋っていつになったら引き締められるようになるのかな?
 ちょっとは出来るようになってるときもあるのに。
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