地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「どうしたの? 美来は何を心配してるの?」

 あたしの不安も見て取った遥華に、あたしはこの際だからと不安なことを一通り話した。


「……というわけで、あたしの気持ちがみんなに知られてしまうことで久保くんが嫌な思いをしないかってことが心配なの。……奏は――あ、あたしの双子の兄なんだけどね、奏は大丈夫だろうって言うんだけどそれでも心配で……」

「ふーん……美来に双子の兄がいるってところも初耳でビックリだけど……。少なくとも銀星に関しては大丈夫なんじゃないかな?」

「そうかな?」

 銀星さんの人となりは詳しくはしらないから、あたしには判断できない。

 でも、少なくともあたしよりは知っているであろう遥華の言葉に希望を見た。


「美来が心配しているようなネチネチしたいじめなんて絶対しないだろうし」

「……確かに」

 何となく俺様っぽい銀星さんが誰かをネチネチいじめている姿は想像できない。

「それにその久保くんって確か銀星の異母兄弟なんでしょ? あたしは面識ないけど」

「あ、うん。そうらしいね」

 相槌を打ちながら、あたし自身そういえばそうだったと思い出す。
 銀星さんに初めて会った後に一度聞いただけだったから、ちょっと忘れかけていた。
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