地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 銀星さんたちにも素顔はバレてるし……構わないよね?

 舐められてさっきみたいなことがまたあっても面倒だし、と思ったあたしは遥華の提案を吞むことにした。


「家の中にいるときだけだからね?」

 そう言ってあたしは髪を解き眼鏡を取る。

 スルスルと勝手に解けていく髪を軽く手櫛で整えると「おお……」「マジか……」という声が聞こえた。

 目の前の遥華も「わぁ……」と感嘆の息を吐きながら少し頬を染めている。


「これでいいかな?」

 確認すると、遥華はコクコクと頷いた。

「いいよ! 美来は可愛いし美人だし、これで舐めてかかるような奴がいたら逆に見てみたいよ!」

「すげぇ……こんなに可愛い子だったのか……」
「未来の姉御にするなら問題ねぇどころかピッタリだぜ」

 少し興奮する遥華に続いてヨシさんノブさんも感想を口にする。

 でも姉御になんてなりませんから!

 ツッコミを口にするべきかと少し迷っていると、遥華が言う。


「銀星が変わる瞬間見て誘惑されたって言ってた意味も分かるなぁ……ドキドキしちゃった」

 なんの屈託もない笑顔で告げられた言葉に微妙な気分になる。


 誘惑、してないんだけどなぁ……。
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