地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「あたしは誰の女でも――」

 ありません! と抗議しようとしたけれど、連さんが腕を離さないまま銀星さんを睨み上げ声を上げる。


「どういうつもり? こんな可愛い子は守ってあげなきゃと思ってるとこだよ」

「は?」

「銀星、お前美来ちゃん次泣かせたらマジでぶん殴るからな?」

「……」

 真剣な声で言う連さんに銀星さんは呆気にとられてるみたい。


「あたしも! 美来が嫌がるような事したら許さないんだから。毎朝あんたの顔の上に虫ばらまいてやる」

「はぁ⁉」

 遥華も続けてあたしを守るような事を口にする。

 でもその具体的な嫌がらせは何なんだろう?
 銀星さん虫嫌いなのかな?

 まあ、寝起きに顔に虫ばらまかれたら誰だって嫌だけど。


「お前ら突然どうしたんだよ? ちょっと前まではもう少し俺に協力的だっただろ⁉」

 二人の様子に戸惑う銀星さん。

 遥華と連さんは変わらずあたしを抱きしめたまま。


「……」

 これは……あたしにここでの保護者が出来たってことかな?

 少なくとも銀星さん対策としては強力な保護者になりそうで良かったのかも。


 ちょっとだけ安心材料が増えたところで、夕食は終わった。
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