地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
カラオケに関して詳しいことはまた後で決めようとなって、あたしと奏はしのぶと別れて第一学生寮を出た。
今の時間は七時四十分。
八時以降は学校敷地内と外を自由に行き来出来なくなるらしいから、ちょっとギリギリだったかもしれない。
一応八時を過ぎても出入りは出来るらしいけれど、その場合は事前に届け出が必要なんだとか。
それを面倒だな、って思ったあたしは第二学生寮向きなのかもしれない。
まあ、どっちにしろ選べる状況じゃなかったけど。
「じゃあ明日は早めに出て第一学生寮で朝食な」
「うん。学校敷地内に入れるのは六時からだっけ? 七時くらいに行く?」
「んーそうだな。じゃあ明日七時に」
第二学生寮の二階でそんな会話をしたあたし達は「おやすみ」と言って各自の部屋に入った。
部屋に入りカギを閉めたあたしは、フゥー……と疲れを吐き出すようなため息をついて眼鏡を取る。
そのまま真っ先に洗面台の前に来て、眼鏡を置いてカラコンを取った。
眼鏡もカラコンも慣れてなくて本当につけているだけで疲れる。
「慣れてくれば疲れなくなるのかな?」
そんなことを呟きながらあたしはきつく結った髪も解いた。
縛り付けていた髪ゴムを取った瞬間、何もしなくても髪がスルスルと解けていく。
あとは軽く手櫛をしただけで綺麗なロングストレートに戻った。