地味同盟～かぐや姫はイケメン達から逃れたい～
　出席日数のために授業に出ることはあるみたいだったし、来るなら昨日みたいに昼からじゃなくて朝から来るってことも誰かが言っていた気がする。

　そしてずっと寝ているとも聞いたので、今日もすぐに机に突っ伏して寝ちゃうんだろうと思っていた。


　だから隣の席に久保くんが座っても気にせずしのぶと話していたんだけれど……。

　突然頭――というか、髪を引っ張られるような感覚がする。

　見ると、いつの間にかあたしのおさげを一本久保くんが手に取っていた。


　そうして今に至(いた)る。


　そう言えば昨日も如月さんに掴まれたっけ。

　いっそ三つ編みにした後さらにお団子にしようか……。

　でもなぁ……三つ編みもキッチリやらないと崩れてきちゃうし、さらに団子にして崩れないか心配。

　それに何より、朝からそこまでする気力がない。


　あーでもやっぱり掴みやすいのは困るよなー。


　そう考えながら目の前のしのぶを見る。

　何か、面白いくらいに戸惑っていた。

　さっきまで話していた内容も忘れ、あたしと久保くんを交互に見ながらすっごく焦った表情をしている。


　だからねしのぶ、むしろその表情はあたしがするべきものなんじゃないかな？


< 64 / 878 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop