地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 だというのに、協力してくれるはずだった《crime》の銀星は敵対する側に回った。

 腹立たしくて、苛立ちを抑えられない。


「まあ、裏で色々やってるのがお前だってことは秘密にしといてやるよ。でもな、あいつを泣かせるようなマネだけはすんなよ?」

 最後にそう告げた銀星は、俺の怒りなんて歯牙にもかけず去って行った。

 連も共に去り、暗い路地に俺だけが残される。


 落ち着け。
 今銀星に怒りをぶつけたとしても、適当にあしらわれるか返り討ちになるだけだ。

 協力者を失った以上、これからのことを考えなくてはならない。


 この間の抗争は失敗に終わった。
 あまりやり過ぎると気づかれる恐れもあるから、次を失敗すればもうチャンスはないと思った方がいい。

 八神と如月は大学は別になるだろうから、明確な対立をさせる為には今しかないんだ。

 去って行った銀星たちに怒りをぶつけている暇すら惜しい。


 何とか腹立たしさを呑み込んで冷静に考える。

 星宮美来を利用する計画は銀星たちの怒りを買う危険性がある。

 だが、今更計画を練り直す時間もない。


 何とか銀星たちに気取られないようあいつらの代わりを見繕うしかないか?

 でもこの辺りにいる不良は佳桜高校関係者か《crime》の連中ばかりだ。
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