地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 《crime》の連中は使えなくなったし、普段の俺のことを知っている佳桜高校のやつらは使えない。

 俺が裏で画策していることを気取られるわけにはいかないんだ。


 いっそ金で人を雇うしかないか?


 そんなことを考えて少し怒りが落ち着いた俺は、やっと繁華街の明るい場所へと出る。

 続けて考えならが歩いていると、ある数人の集団が騒いでいるのが見えた。

 あまり見ない顔だな、と思っただけであとは気にも留めず通り過ぎるはずだった。


「おい! 本当にこの街に美来がいるんだろうな⁉」


 だが、仲間に対して怒鳴ったリーダー格の男の声を聞いて足を止める。

 ……コイツ、今美来って言ったか?


「は、はい! いるはずです! SNSで写真アップされてるの見ましたから!」

「俺も見ましたよ? 二回目確認しようとしたときには消されてましたけど」


 明らかにガラの悪い男の集団。
 そしてこの辺りでは見ない顔。


「で? この街のどこにいるんだ?」

「ここの佳桜高校ってとこに通ってるみたいっす!」
「全寮制らしいんで、寮に入ってるんじゃないっすか?」

 そして、星宮美来を探している様子。
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