地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「……それで、俺は何で正座させられてるんだ?」

 あたしと奏の話がひと段落して場の空気が穏やかになったからかな?
 久保くんが初めから思っていたであろう疑問を口にした。

「ああ、それはだな……」

 奏の声にまた鋭さが蘇る。

 怒っているわけじゃなさそうだけど……。


「お前から高峰組のこともう少しちゃんと聞きたくてな」

「は? 前にも言ったけど俺は高峰組とは関係ねぇって……」

「それは聞いた。でも関係ないからって全く知らないってわけじゃないだろ?」

「それは……でも最近のことは本当に分からねぇぞ?」

 二人の問答を黙って聞きながら、あたしはそっと足を崩した。
 これ以上は本気で足がしびれちゃうし、別にもう正座してなくてもいいよね?


「それでもいい。少しでも多く確かな情報が欲しいんだよ。……まさか美来がここまで高峰組に関わることになるとは思わなかったからな」

「……」

 どうやらあたしの所為だったらしい。

 いつも苦労を掛けます、オニイサマ。


「……まあ、大した話はねぇけど……それでいいなら」

 そして久保くんはやっぱりあたしに巻き込まれただけっぽい。

 ……ごめんね?

 あとでちゃんと謝らなきゃな。


 そう思いながらボーッと久保くんを見た。

 そういえば久保くん、いつ告白してくれるんだろう?

 告白のやり直しをすると言ってからそんなに日数が経っているわけじゃないからまだ待てるけれど、早くしてほしいなって思う。
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