地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「去年までのことを思い出すとやっぱりそろそろ対策を考えなきゃと思ってね……。期間を考えると時間が足りないと思って相談もなく話を進めてしまった。それは本当にすまないと思っている」
謝罪のために深々と頭を下げる坂本先輩に、逆に会計の先輩の方が慌てた。
「なっ⁉ 頭を上げてください! 別に非難しているわけじゃないんです。何とかした方がいいとは俺たちも思ってましたから! な? みんな」
同意を求める声に、すみれ先輩をはじめみんなが「ええ」「そうですよ」と穏やかな声で答える。
それらの言葉を聞き、坂本先輩は頭を上げ王子スマイルを全開にして「ありがとう」と微笑んだ。
「……」
あたしはそのやり取りを何とも言えない気分で見つめていた。
だって、坂本先輩はこの展開そのものを狙って演技していたみたいだったから。
みんなに相談もなく先生たちから許可を取って来て、ハロウィンパーティーを行うことを決めてしまった。
色々理由を口にしていたけれど、本来ならそれでも非難されるところだと思う。
それを坂本先輩が先に申し訳なさそうに謝ることで、その後の文句が出てこないようにした。
もちろん坂本先輩が元々みんなから信頼されてるからなんだけれど……。
でもあたしには、その信頼を逆手にとって不満の芽が出る前に押し潰したようにも見えた。
謝罪のために深々と頭を下げる坂本先輩に、逆に会計の先輩の方が慌てた。
「なっ⁉ 頭を上げてください! 別に非難しているわけじゃないんです。何とかした方がいいとは俺たちも思ってましたから! な? みんな」
同意を求める声に、すみれ先輩をはじめみんなが「ええ」「そうですよ」と穏やかな声で答える。
それらの言葉を聞き、坂本先輩は頭を上げ王子スマイルを全開にして「ありがとう」と微笑んだ。
「……」
あたしはそのやり取りを何とも言えない気分で見つめていた。
だって、坂本先輩はこの展開そのものを狙って演技していたみたいだったから。
みんなに相談もなく先生たちから許可を取って来て、ハロウィンパーティーを行うことを決めてしまった。
色々理由を口にしていたけれど、本来ならそれでも非難されるところだと思う。
それを坂本先輩が先に申し訳なさそうに謝ることで、その後の文句が出てこないようにした。
もちろん坂本先輩が元々みんなから信頼されてるからなんだけれど……。
でもあたしには、その信頼を逆手にとって不満の芽が出る前に押し潰したようにも見えた。