地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「……15位」

「美来すごい! この学校でその順位ってかなりの上位だよ⁉」

 奈々に驚きの声で褒められたけれど、あたしは自分より上位の名前を見ていてそれどころじゃなかった。


 30位までは廊下に張り出されるという事で、昼休みにしのぶたちと見に来ていた。

 自分の順位は分かっていたけれど、奏とか他の人はどうなんだろうと思って。

 ちなみに奏は10位。
 また負けてしまった。

 前の学校でもいつもあたしより少し上にいるんだよね。


「え⁉ マジ⁉ かなちゃんに負けた⁉」

 すぐ近くで明人くんの声が聞こえた。
 双子と奏の三人も見に来てたみたい。

 勇人くんが12位で、明人くんが13位。
 丁度あたしと奏の間にいる感じ。

「お、美来。お前は15位か?」

 あたしに気付いた明人くんが少し得意げに近付いて来る。

 むぅ……あたしより順位上だからって。


「……そうだよ。奏にはいつも負けちゃうんだけど……勇人くんと明人くんにも負けるなんて」

 思わず唇を尖らせてふてくされると、明人くんは笑いながらあたしの頭をポンポンと軽く叩いた。

「いいじゃんか。逆に俺らが美来より下だったらカッコ悪ぃだろ?」

「べつに、カッコ悪いとは思わないけど……」

 また唇を尖らせたまま言うと、勇人くんも近くに来る。
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