地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来がそう思ってくれたとしても、俺たちはカッコつけてぇの」

 勇人くんにもそんなことを言われて、あたしは困ったように笑みを浮かべるしかなかった。


 あたしのことを好きだと言ってくれる二人。
 その気持ちには応えられないけれど、諦めないという気持ちまで否定することは出来ないから。

 だって、異性として見れなくても大事な友達なのは変わらないし。


「……それにしても、久保は意外だったな」

 複雑な顔をして奏もこっちに来た。

 しのぶの近くに来て順位表を見上げている。


 あたしもまた順位表を見上げ、確かにと思う。

 久保くんの名前もこの中にあった。
 しかも上の方。

 2位。

 1位の高志くんのすぐ下に、その名前があった。


「まあ、そうだよな」
 と、奏の言葉に同意する明人くん。

「うんうん、普段の生活態度見てたらこの順位嘘だろって思うよな?」
 勇人くんも苦笑いでうなずく。

「いつも寝てるし、頭良くてもまさかここまでとは思ってなかったよ……」
 あたしは驚きを隠しもせずその名前を見つめていた。

 そんなあたしに、しのぶがちょっと呆れた声で答える。

「いつも寝ていても怒られないのなんだと思ってたの? 流石に勉強出来なかったらたたき起こされてるって」

「あ、それもそうか」

 言われてみれば納得だった。
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