地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
《月帝》のテーブルの方から八神さん以外の声がしたことに少し驚きつつ振り返り、あ!っと思う。
「なんて言うか……司狼がごめんな?」
久保くんへの対応や、あたしが話しかけようとするのを邪魔したことへの謝罪だろう。
でも、本人からの謝罪じゃないのに受け入れることは出来ない。
何より、目の前の人物を見てあたしはそれどころじゃなかった。
「い、いえ……稲垣さんが謝ることじゃあ……」
声を掛けられるまで彼の存在を認識していなかったあたしは、何とか戸惑いを隠そうと必死になる。
きっと、今日だけでなく毎回昼食時にはいたんだと思う。
でもあたしはことごとく彼の存在に気付けなかった。
本人も存在を忘れられることは仕方ないと諦めているみたいだけれど、だからといって忘れてましたなんて言えないし。
でも隠すのが苦手なあたしはやっぱり表情に出てしまっていたんだと思う。
稲垣さんは困った笑みを浮かべていたから。
それでもそこはスルーしてくれた。
「……司狼もそうだけど、やっぱりみんな美来さんのことが好きだからさ。一人に取られたくないって気持ちはどうしたってあるんだと思う」
「……はい」
そこは理解しているつもりなので素直にうなずいた。
「なんて言うか……司狼がごめんな?」
久保くんへの対応や、あたしが話しかけようとするのを邪魔したことへの謝罪だろう。
でも、本人からの謝罪じゃないのに受け入れることは出来ない。
何より、目の前の人物を見てあたしはそれどころじゃなかった。
「い、いえ……稲垣さんが謝ることじゃあ……」
声を掛けられるまで彼の存在を認識していなかったあたしは、何とか戸惑いを隠そうと必死になる。
きっと、今日だけでなく毎回昼食時にはいたんだと思う。
でもあたしはことごとく彼の存在に気付けなかった。
本人も存在を忘れられることは仕方ないと諦めているみたいだけれど、だからといって忘れてましたなんて言えないし。
でも隠すのが苦手なあたしはやっぱり表情に出てしまっていたんだと思う。
稲垣さんは困った笑みを浮かべていたから。
それでもそこはスルーしてくれた。
「……司狼もそうだけど、やっぱりみんな美来さんのことが好きだからさ。一人に取られたくないって気持ちはどうしたってあるんだと思う」
「……はい」
そこは理解しているつもりなので素直にうなずいた。