地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
そしてあたしが何を言おうか迷っているうちに、如月さんが「……そうか」と話し出す。
「じゃあ、美来はやっぱり久保と別れた方がいいな」
「どうしてそうなるんですか⁉」
思わずガタンッと椅子を鳴らして立ち上がってしまった。
食事中にこんな風に立ち上がるのは行儀が悪いと分かっているけれど、突っかからずにはいられない。
幹人くんが《月帝》のメンバーに不安がられる原因があたしだとしても、だからと言って別れなきゃならないというのは理不尽すぎる。
「付き合ったことで尚更ヘタレになってるだろう? 別れて距離を取った方がいいと思うのは普通じゃないか?」
「そんな、ひどいっ」
横暴すぎる言い分だけれど、少しは理解出来てしまうから辛かった。
あたしが近くに居なければ、幹人くんが仲間から『大丈夫か?』なんて思われることはなかっただろうから。
ついさっきまで幸せの絶頂にいたからこそ尚更辛くて、涙が浮かぶのを止められなかった。
「っ! あ、いや……」
途端に慌てる如月さん。
でも、その涙が零れる前に落ち着かせてくれたのは彼ではなく両隣にいる双子だった。
「あーあ、泣かせちゃった。如月さんひでぇの」
「なっ⁉」
明人くんが如月さんを非難しながらあたしの背中に手を添えてくれる。
幼子をあやすように優しくポンポンと叩かれ、溢れそうだった涙は止まった。
「ほら、座れよ美来。大丈夫だって、久保がヘタレにならないよう特訓するの手伝ってやるから」
勇人くんの言葉に、泣きたくなるほどの辛さも消える。
「特訓?」
「そうだよ。ヘタレな久保を見るのは面白れぇけど、それで美来が泣くことになるんだったら何とかしないとな」
「じゃあ、美来はやっぱり久保と別れた方がいいな」
「どうしてそうなるんですか⁉」
思わずガタンッと椅子を鳴らして立ち上がってしまった。
食事中にこんな風に立ち上がるのは行儀が悪いと分かっているけれど、突っかからずにはいられない。
幹人くんが《月帝》のメンバーに不安がられる原因があたしだとしても、だからと言って別れなきゃならないというのは理不尽すぎる。
「付き合ったことで尚更ヘタレになってるだろう? 別れて距離を取った方がいいと思うのは普通じゃないか?」
「そんな、ひどいっ」
横暴すぎる言い分だけれど、少しは理解出来てしまうから辛かった。
あたしが近くに居なければ、幹人くんが仲間から『大丈夫か?』なんて思われることはなかっただろうから。
ついさっきまで幸せの絶頂にいたからこそ尚更辛くて、涙が浮かぶのを止められなかった。
「っ! あ、いや……」
途端に慌てる如月さん。
でも、その涙が零れる前に落ち着かせてくれたのは彼ではなく両隣にいる双子だった。
「あーあ、泣かせちゃった。如月さんひでぇの」
「なっ⁉」
明人くんが如月さんを非難しながらあたしの背中に手を添えてくれる。
幼子をあやすように優しくポンポンと叩かれ、溢れそうだった涙は止まった。
「ほら、座れよ美来。大丈夫だって、久保がヘタレにならないよう特訓するの手伝ってやるから」
勇人くんの言葉に、泣きたくなるほどの辛さも消える。
「特訓?」
「そうだよ。ヘタレな久保を見るのは面白れぇけど、それで美来が泣くことになるんだったら何とかしないとな」