地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 そりゃあ確かに、スマホを持っていても動画見たりメッセージアプリ使うくらいしかしていないけどさ……悪化させるような真似はしないと思うんだけどな。

 ………………多分。


 なんにせよあたしのせいだ。

「ごめんね、奏が忙しいのって多分あたしのためだから……」

 申し訳なくてしゅんとすると、背中をポンと叩かれた。

「もう! そんな顔しないでよ。別にどうしても仮装したかったわけじゃないし、イベントも奏と同じ場所でお菓子配る方で楽しむから」

 気にしないの! と優しく笑うしのぶに元気付けられる。

 そこまで言ってもらえているのにずっと申し訳ないと思っているのも良くないよね。

「うん、それなら良かった」

 とあたしも笑顔を返した。


「それにあたし今回はみんなの衣装じっくり見たいんだ。上手いアレンジしている子もいるし、人気者の人達は豪華衣装でしょ? 楽しみー!」

 どうやら本当に仮装する側じゃなくて良かったらしい。

 まあ、楽しそうなら何よりだ。


「あ、そうだ。良かったら今付いて行っていい? 美来の天使姿も早く見てみたいから!」

「いいけど、廊下で待つことになっちゃうよ?」

「いいよ。あたしたちお菓子配布組は準備とかそんなにないし、まだ時間あるから」

 廊下で一人待たせるようなことはしたくなかったけれど、そこまで言うのなら断るのもしのびない。

 あたしは了承して、二人で教室を出た。
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