地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
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「そういえば調理部のお菓子ってどんなだった? かなり大量に作って、全校生徒に一つは渡るようにしたらしいけど」

 しのぶと二人で生徒会室の方へと向かいながら話題は衣装からお菓子へと移る。

 調理部が作ったお菓子は仮装した人たちに配られるけれど、それだと不公平だという事で配布組の生徒にも後で配られることになったらしい。

 調理部の人達は大変みたいだったけれど、クッキーなど量産しやすいものを増やしたとか言っていた。


「うん。クッキーが多いみたいだったけれど、マドレーヌとか焼ドーナツとかもあったよ。確認に行ったけど、匂いだけで美味しそうだった」

 話しながら思い出して楽しみだなと思う。

 あの匂いからして絶対にどれも美味しい。

「美来が言うなら確実だね。あたしも楽しみになって来た」

 なんて話しながら少しひと気の少ない場所に来た時それは起こった。

 突然前方で一人の女子生徒がガクンと倒れたんだ。


「え?」
「な、何? 大丈夫ですか?」

 思わず駆け寄って、気付く。

「香梨奈さん?」

 下腹の辺りを押さえてうずくまっている女生徒は、あたしを敵視している香梨奈さんだった。
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