地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
稲垣さんと香梨奈さんから向けられている憎悪。
それを怖いと思うけれど、校内全部が争い始める方がゾッとする。
あたしは心を奮い立たせて稲垣さんをキッと睨んだ。
「……それで? しのぶを人質にして、あたしを一日中ここに閉じ込めておくつもりですか?」
稲垣さんはきっとみんなをそそのかすためにこの場を離れるだろう。
だとしたら、ここに残るのは香梨奈さんだけだ。
それなら今度こそ隙を見つけて、しのぶを助けて逃げることが出来るかもしれない。
そんな思いからの確認だったけれど、すぐに期待の芽は潰されてしまう。
「は? ここに? そんなわけないだろう? こんなところに居たらいつ見つかるか分からないじゃないか」
意外なことを言われたとばかりに目を丸くする稲垣さん。
思わず舌打ちしたくなったけれど、苦い顔をするだけに留めた。
するとそのとき、何かメッセージでも届いたのかスマホの画面を見た稲垣さんは嫌な感じに口角を上げて笑みを浮かべる。
「ああ、やっと来たみたいだな」
その様子に、そういえば他にも誰かが来るようなことを言っていたのを思い出した。
そうだ、香梨奈さんだけじゃなかったんだっけ。
人数が増える前に逃げてしまいたかったけれど……。
それを怖いと思うけれど、校内全部が争い始める方がゾッとする。
あたしは心を奮い立たせて稲垣さんをキッと睨んだ。
「……それで? しのぶを人質にして、あたしを一日中ここに閉じ込めておくつもりですか?」
稲垣さんはきっとみんなをそそのかすためにこの場を離れるだろう。
だとしたら、ここに残るのは香梨奈さんだけだ。
それなら今度こそ隙を見つけて、しのぶを助けて逃げることが出来るかもしれない。
そんな思いからの確認だったけれど、すぐに期待の芽は潰されてしまう。
「は? ここに? そんなわけないだろう? こんなところに居たらいつ見つかるか分からないじゃないか」
意外なことを言われたとばかりに目を丸くする稲垣さん。
思わず舌打ちしたくなったけれど、苦い顔をするだけに留めた。
するとそのとき、何かメッセージでも届いたのかスマホの画面を見た稲垣さんは嫌な感じに口角を上げて笑みを浮かべる。
「ああ、やっと来たみたいだな」
その様子に、そういえば他にも誰かが来るようなことを言っていたのを思い出した。
そうだ、香梨奈さんだけじゃなかったんだっけ。
人数が増える前に逃げてしまいたかったけれど……。