地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
チラリとしのぶの様子を伺うと、不安そうな表情で身を固くしている。
今すぐ助けたいけれど、香梨奈さんがナイフを持つ手を下げる様子はない。
ごめんねしのぶ、巻き込んで……。
どう考えてもしのぶは巻き込まれただけだ。
しのぶだけでも逃がしてもらえないかと考えたけれど、《月帝》と《星劉》をそそのかしたい稲垣さんからすれば事情を知ってしまった彼女を解放することはないだろう。
開放してあたしが誰に攫われたのか真実を話されたら困るだろうから。
「よし、と」
あたしがしのぶの様子を伺っているうちに返信を終えた稲垣さんは、あたしに視線を戻してそれはそれは楽しそうな笑みを浮かべた。
「彼らはとても君に会いたがっていたよ? 君も久しぶりに会うんじゃないか?」
「え?」
その口ぶりは、これから来る相手もあたしの知り合いだと言っている様だ。
何? 誰が来るの?
久しぶりって……。
眉を寄せて訝しんでいるうちに、倉庫のドアが開く。
そこから入って来たのは、お化けの仮装でもしているかのように白いシーツを頭から被った三人組だった。
今すぐ助けたいけれど、香梨奈さんがナイフを持つ手を下げる様子はない。
ごめんねしのぶ、巻き込んで……。
どう考えてもしのぶは巻き込まれただけだ。
しのぶだけでも逃がしてもらえないかと考えたけれど、《月帝》と《星劉》をそそのかしたい稲垣さんからすれば事情を知ってしまった彼女を解放することはないだろう。
開放してあたしが誰に攫われたのか真実を話されたら困るだろうから。
「よし、と」
あたしがしのぶの様子を伺っているうちに返信を終えた稲垣さんは、あたしに視線を戻してそれはそれは楽しそうな笑みを浮かべた。
「彼らはとても君に会いたがっていたよ? 君も久しぶりに会うんじゃないか?」
「え?」
その口ぶりは、これから来る相手もあたしの知り合いだと言っている様だ。
何? 誰が来るの?
久しぶりって……。
眉を寄せて訝しんでいるうちに、倉庫のドアが開く。
そこから入って来たのは、お化けの仮装でもしているかのように白いシーツを頭から被った三人組だった。