地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「ほら、うちの学校の“暴走族”って学校側が仕組んだ部分もあるでしょ? そんなのは結局学校の言いなりになっているだけだろうって反発してる不良たちが南校に集まっちゃったんだ」

「ああ……」

 そう言われるとなんか納得した。


「でもうちの学校の方が県外からも人が来てるし、ケンカが強い人も多くてね。南校の“暴走族”は弱小だって言われてるの」

 だからあまり怖くないんだとしのぶは言う。


「……うーん、でも」

 一通り話を聞くと奏が話し始める。

「いくら弱小でもしのぶよりは強いだろ? ケガしてほしくないし、あんまり突っかかって欲しくないな」

「う……ごめん」

 そのあたりはしのぶも分かっているのか、素直に謝っていた。


 奏はそんなしのぶの頭にポンと手を置き、「まあ……」と続ける。

「どうしても突っかかって行くなら俺がいるときにしろよ? 守ってやるからさ」

「奏……」


 お?
 二人の世界入っちゃうかな?


 そう思ってススス、と距離を取ろうとしたら。

「えへへ……じゃああたしは美来を守るね!」

 と、どうしてか明後日の方向に話を進めるしのぶ。


 いやぁ……多分しのぶよりはあたしの方が強いと思うけどな……。

 一応武術習ってたし。
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