地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 奏もあたしがそれなりに強いことは知っているから、「うーん」と何とも言えない表情をしていた。

 そんなあたし達に気付いてか気付かないでか。

 しのぶは無邪気に言葉を重ねる。


「美来って何だか妹って感じだからさ。お姉ちゃんが守ってあげないとね」

 なんちゃって、とテヘペロしてる姿は可愛くて、むしろあたしが守りますお姉ちゃん。とか思ってしまった。


 しのぶの言葉を聞いた奏は口元を覆って視線を他所にやっている。

 隠した口元はめっちゃニヤニヤしてるだろうことはあたしには丸分かりだった。


 しのぶにとってあたしが妹ってことは、しのぶはあたしの姉ってことで……。

 あたしの姉になるには奏と結婚する方法しかないわけで……。


 なんて妄想をしているんじゃないだろうか。


 まあ、しのぶも無意識にそう思っていて、ついポロリと口にしてしまったって感じも無きにしも(あら)ずだけど……。

 でもそんな妄想をしてニヤニヤするのは流石に気持ち悪いぞお兄ちゃん?



 そんなやり取りをしてから、やっとあたし達はカラオケへと向かった。
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