地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「え? え? なに?」

 状況的に感動してくれたってことだろうけど、そこまで泣くほどかな?

 あまりの号泣っぷりにあたしは慌ててしまう。


 しのぶは数枚ティッシュを取ると涙を拭き鼻をかみ、涙声を上げる。

「うっ……みくっ、上手すぎぃ~~~」

 そうしてまた泣き出してしまった。
 

 しのぶは多分感受性が強いんだね。

 ここまで泣く子はなかなかいないよ。


 少しして落ち着いたしのぶは、今度はあたしと奏でデュエットを歌ってほしいとお願いしてきた。

 また泣くんじゃないかと思ったけれど、どうしてもと言われてしまったので人気の映画で歌われていたものを選んだ。


 そして。

「うっうわあぁぁ……二人とも、良すぎぃ~~~!!」

 案の定しのぶは泣いてしまった。


 前半はそんな感じで歌ってはしのぶが泣いて落ち着くのを待って、の繰り返しになる。

 でも流石にずっとそんな状態で過ごすわけにもいかないし、後半は楽しい歌をみんなで歌ったりと盛り上がって楽しんだ。



「あー、歌ったー」
「楽しかったー」

 あたしとしのぶはきゃいきゃいしながらカラオケを出る。

 奏はそんなあたし達の後ろをついて来るように出てきた。

「でも混んできたからって三時で切り上げなきゃならなくなったのは残念だったな」

 奏の言葉に「うんうん」「そうだよねー」と同意する。
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