地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来の意志は尊重したいけど、そうなったらそれはそれでいいよねー。あたしも美来と一緒に居られる機会が増えそうだし」

 なんて楽しそうに言っている。


「……」

 これは、もう逃げた方がいいのかな?

 後ろの皆も足止め振り切って向かって来てるし。


 でも、あたしがそれを決意する前に幹人くんが動く。

「チッ」

 あたしを後ろから抱き締めるようにして、銀星さんにハッキリ宣言した。

「美来が俺を好きだって言ってくれる限り、俺はコイツを誰にも渡さねぇよ」

「幹人くん……」

 幹人くんの体温とその言葉が温かくあたしを包む。

 そのぬくもりが心に届いて、幸せがあふれ出た。


「おーおー、幸せそうな顔しやがって……」

 からかうような笑みを浮かべて銀星さんがあたしを見る。

「そんな顔されたら女神の下僕の俺は守りたくなっちまうじゃねぇか」

「……」

 いや、だから下僕はいらないって。

 突っ込みたいけど、突っ込めなかった。


「今日のところは引いてやるよ。足止めは任せろ!」

 下ろしていた髪を後ろで結んで、美人から美男子になった銀星さんは男らしくニヤリと笑う。

「ったく、銀星はホント気まぐれだなぁ」

 仕方ないなというように連さんも笑った。

 なんだかんだ言いつつも、連さんはいつも銀星さんのサポートしてるよね。

 ……なんて言うか、オカンっぽい。
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