地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「何で美来連れて行こうとしてんだよ!」
「美来は俺らと昼食うんだよ!」


 いや、あたし何も約束とかしてないからね!?

 勝手なこと言わないでくれるかな!?


 と思いつつ騒ぎ立てたくもなかったのでとりあえず言葉には出さなかったんだけど……。

「それだよ。お前らのせいでこいつ連れてかなきゃなんなくなったんだよ」

 久保くんの返答に、双子だけじゃなくてあたしも奏も、更にしのぶも“は?”となる。


「金曜にお前ら二階席じゃなくて一階の、しかも一般生徒用のテーブルで昼食ったんだろ? あれ何気に結構騒ぎになってたみてぇだぞ?」


 え? 二階席?

 あ、もしかして二人はやっぱり幹部だったのかな?

 初めて会った日に《星劉》の総長と一緒にいたからもしかしてとは思ってたけど。


 で、そんな人が一般席でお昼を食べていたから問題になっている、と。


 ん? でもそれで何であたしが連れていかれなきゃならないの?


「それで何で美来を連れてくってことになるんだよ?」

 あたしの疑問は明人くんが口にしてくれた。


「お前らこいつがいたから一般席に行ったんだろ? だったらこいつを二階席に連れていきゃあ良いだろってことになったんだよ」

「はぁ? 何だそれ、誰が決めたんだよ?」

 勇人くんの言い分はもっともだ。

 本当に、誰がそんなはた迷惑なこと決めたんだか。


「生徒会長と二人の総長の三人だよ」

『へ?』

 これにはみんな揃って目を丸くした。
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