地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来は俺達を頼ってればいいんだよ。ちゃーんと守ってやるからさ」

「そうそう。無理やり二階席に付き合わせておいて守ることもしない無責任な男、頼る必要ねぇよ」


 勇人くんもそんな風に続いたけど……これ、久保くん挑発してない?

 こんなところでケンカはしないでよ?



 あたしはハラハラしながら様子を見ていた。


「はぁ? 無責任って何だよ。もとはお前らが原因だろ? お前らが守るってんなら十分だろうが」

「……ちっ」


 久保くんの言葉にそれもそうだ、って思う。

 明人くんも思ったんだろう。

 言い返すことはしなかった。



 そうして来た二階席。

 なんですかここ?
 どこの披露宴会場ですか?


 って、聞きたくなった。


 一階にあるものより大きめな丸テーブルには汚れ一つないクロスが掛かっている。

 絨毯は上履きを履いていても分かるほどフワフワ。

 しかも生徒以外にウエイトレスみたいな人がいて、その人がみんなの料理を運んでくれているみたいだった。


 もはや高級レストランだ。

 もしくは本当に披露宴会場。

 少なくとも絶対に学食ではない!


「ほら、何突っ立ってんだ? お前はこっちだ」

 そしてあたしはまた久保くんに引っ張られていく。


「いや! 美来はこっちだろ!?」

 と反対側の手を掴んだのは明人くん。
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