地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「美来と昼飯食いたいのは俺らだぞ? なんで《月帝》のテーブル連れてくんだよ!?」

 そして勇人くんが久保くんを非難する。


 勇人くんの言葉に、久保くんがあたしを連れて行こうとしているテーブルを見ると確かに《月帝》の総長・八神さんの姿が見えた。

 そして明人くんが引っ張る先には《星劉》の総長・如月さんが。


 ざっと他のテーブルを見回すと、中央に生徒会長が座っているテーブルがあり、その両隣が《月帝》と《星劉》になっているみたいだ。

 他にも数テーブルあるけれど、少し離れた位置になっている。


「うちの総長がこいつのこと気にしてたって言っただろ? だから今日はうちのテーブルに連れてくんだよ」

「《月帝》の総長は《かぐや姫》だけ気にしてればいいだろ!? 美来は俺らのだ!」


 いや、明人くんたちのものになった覚えは無いんだけど……。


 取り合いになった人形の気分で引っ張られているあたしは、もうどっちでもいいから早く決めてくれって思った。



「大体お前らは美来と一緒に飯食ってる余裕ねぇだろ? 《星劉》の総長、かなりピリピリしてたぞ? 金曜のこと、怒ってるんじゃねぇのか?」

『え?』

 久保くんの言葉に明人くんはあたしの手を離し、勇人くんと一緒に恐る恐る《星劉》のテーブルを見た。
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