望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
どこかで知り、何かを言ってくれようとしている?
そこまで思ったが今更、望月君が何を優弥さんに言うことがあるというのだ。
そんなものは全くない。あのサラリと出て行った朝以来優弥さんとは音信不通なのだから。
その後、連れ立って二人は目の前のカフェへと二人は入っていった。
「意外な組み合わせよね。でも櫻町、もう終わったことなんだからあんな男忘れなさい」
運ばれてきたクリームパスタに視線を向けたまま、恭子は苛立ちを隠すようにそれを口に運ぶ。
「そうだね」
すっかり望月君とのことを話す様な気分でも、雰囲気でもなくなってしまった。
なんとかパスタを笑顔で食べるも、いつもおいいしいはずの料理のおいしさは半減してしまった。
落ち着かない気持ちのまま恭子と食事を終え、外に出て望月君が入ったカフェに視線を向ければ、望月君と優弥さんの姿が見えた。