望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

久し振りによく寝たな……。なぜかまだ起きたくなくて目を閉じたまま枕に顔を埋めていると、なぜかクスリと笑い声が聞こえてハッとする。

「俺の身体硬くないですか? 柚葉さんは柔らかい」
え? そこで一気に私の頭は覚醒した。

「どうして!」

ガバッと起き上がると、そこにはなぜか上半身裸の望月先生がジッと私を見つめていた。
枕だと思って埋めていたのは、どうやら抱きしめられるように眠っていた彼の胸だったようで、私はだらだらと冷や汗が零れ落ちる。

あろうことか、それに頬を摺り寄せてニヤニヤしていたなんて。

そして昨日のことを思い出す。酔っぱらった望月先生が離してくれなかったのだ。
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