望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~


この人はいつも見ている人と同じだろうか?
柔らかなイメージで、いつも小児科で子供たちに優しい笑みを浮かべているその人が、今目の目にいる彼とどうしても同じだと思えない。

「誰?」

つい言葉にしてしまった私に、目の前の人は意外そうな表情を浮かべた。

「誰ってどういう意味です?」
それはそうだろう。どこからどうみても望月先生なのに、感じる雰囲気はまったく別ものでつい言葉にした私だったが、どこからどうみても彼は望月先生だ。

「いえ……」
言葉を濁し、視線を外したがそれを追うように、望月先生の瞳が目の前にあった。
< 25 / 143 >

この作品をシェア

pagetop