望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「じゃあ、僕、病院内で柚葉さんが必死に婚活してるって言っちゃおう。それにマッチングアプリもいくつか登録してる……」
「どうしてそれを!」
そこではめられたことに気づく。そんなことバレる訳がないのだ。
でも、私はマッチングアプリにいくつか登録している。
「ねえ、柚葉さん。どうしてそんなに婚活を? いくらでも柚葉さんならいるでしょ?」
呼び方などさほど気にしていないようで、少し心配するような声音に私は大きく息を吐いた。
「医療関係者は嫌なの。それに今は少し時間に余裕ができたけど、知り合う機会なんて今までなかったし」
言い訳のように言った私に、彼は更に追い打ちを掛けるように補足する。
「あ。ハイスペックな彼がいることになってるし、若い女の子たちの合コンには行けないですもんね」
ズケズケと指摘する目の前の男に、本当はただ可愛いだけの人ではないと思い知る。