望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「でも、あの情報だけだったら、謙虚かわからなくないですか?」
問いかけた私にメニューを見ていた千堂さんが顔を上げた。
「違うの? 一番大人しそうにみえたし、顔もタイプだったから」
サラリとこういうセリフを言える人なんだと思う。きっと女の人には困っていないのだろう。
確かに婚活の担当の人に、おしとやかに見られた方がいいと、清純そうなベージュのワンピース写真を登録してある。
「君だって、結婚するために条件で選んだだろ?」
そう言われてしまえばそうだ。結婚をしたい人が登録をしているのだから、むしろこんな人に選んでもらえたことに感謝をしなければいけない。
そう思いなおすと、私はキュッと唇を噛んだ。
「そうですね」
肯定すれば、その返事に彼は満足そうに頷いた。