望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
そんな完璧な人に声を掛けられれば私が驚くのも仕方がない。
今まで勉強と仕事一筋で男の人に免疫のない私は、24歳にもなって恥ずかしいがこれだけで顔が真っ赤かもしれない。
「名前は?」
「あ、櫻町柚葉です」
キュッと唇を噛んで答えれば爽やかな笑い声が聞こえた。
「柚ちゃん、俺さ結構真面目に話したら腹減ったんだよね。付き合ってよ。もっと話をしてあげられるし」
8歳年上の優弥さんはとても大人で、話題も豊富でとても楽しかった。
だから、その日いとも簡単に身体を許してしまった。
しかし、それから優弥さんとても順調だった。お互い忙しいこともあり、なかなか会えなかったが、優弥さんが時間が出来れば私の家に来てご飯を食べて眠る。そんな日が4年以上続いた。
もちろん付き合っているつもりだったし、ベッドの中では彼はいつも『可愛い』『好きだ』そんな甘い言葉をかけてくれていた。