角松 ヤエ 30歳 OL


―――――― 


「あ~~~~~死ぬかと思った・・。」


お会計を済まして、
右頬を労りながら病院を出る。


子供の頃から大嫌いな歯医者さんだけど、
唯一好きな所は“完全予約制”な所。


だからこうして仕事終わりにすぐ診てもらえて、アフター5後のアフター6以降は自由に過ごせる。


・・・と言っても、治療後だからさすがにケーキ屋さんに寄るのはあれだから、


「・・・・・・。」


角松家お菓子棚のコンソメパンチの補充と、
もうすぐ無くなりそうなファンデでも買おうと、

イオンへとやって来た。


そういえば昨夜お風呂入った時、
パンテーンの出が悪かった気がするから、

ついでにシャンプーとコンディショナーも一緒に・・


「・・・・あれ?角松さん?」


「・・・?」


カゴを持って、生鮮食品を通り抜けようとした時、声を掛けられてビクッとなったけど・・・


「あ、お疲れ様です。」


「お疲れ様です。買い物?」


部署は違うけど同じ会社の・・

・・あれ・・・?
名前なんだっけこの人?(゚Д゚)


部署は違うけど、何度も仕事上でやり取りした事がある男の人がキャベツ片手に立っていた。

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