角松 ヤエ 30歳 OL
「やっぱここのイオン、
ウチの会社率高いよね。」
「あ~そうですね。
誰かしらとよく遭遇します。」
私の生活圏内にはイオンが2つある。
家の近く・・最寄り駅の近くに1つ。
ここは休日に買い物したりとか、
給料日に必ず利用する。
もう1つがここ。
会社の近くという事もあって、
結構ウチの会社の人が仕事帰りに寄ったりお茶をしたり・・といった感じで、
私もサチコさんとここの中に入っているケーキ屋さんで過ごす水曜日がある。
「あ、角松さんって料理とかする?」
「いや全然しないです。」
いや私も早くコンソメパンチとファンデとパンテーンを・・と思いながらも、
名前が思い出せないマンがキャベツ片手に私への話し掛けをやめない(^◇^;)
別にお喋りすることは良いんだけど、“名前が思い出せない事”がバレたらとてもまずい・・。
「こっちのキャベツとこっちのキャベツ・・どっちが良いと思う?」
“料理をしない”って言ってるのに、キャベツの玉を見せられても分かるわけないでしょうが(^◇^;)
「え~っと・・・こっち?」
「やっぱそう思う?
僕もこっちだと思った。」
「あ、じゃあ良かったです。」
「・・・・・角松さん・・・・。」
「・・・?」
「2人が見て、2人共に選ばれるこのキャベツ・・・。」
「はい・・。」
「そして僕がこのキャベツを買って、
この後ホイコーローを作る。
これって【ディスティニー】じゃない?」
「・・・・・すみません。
ちょっと何言ってるか分かんないです。」
さすがにこれ以上は付き合えないので、まずはコンソメパンチを買いにお菓子コーナーへと向かった。