角松 ヤエ 30歳 OL


―――――― 


「サチコさん、おはようございます。」


「あ、ヤエさんおはようございます。」


「サチコさん、あの労務部にいる変な人って名前なんでしたっけ?」


「え・・ヤエさん、あの変な人ですか?」


「昨日、歯医者の帰りのイオンでバッタリ会ったんだけど、名前が思い出せなくて・・。」


「え~っと・・・・・・・・
ヤエさんごめんなさい、忘れました。」


「やっぱり名前出てこないですよね?ずっと思い出せなくてこの辺がムズムズしてます。」


「ヤエさん、後藤に聞くのが一番ですよ。」


「やっぱりそうですよね?
早く後藤来ないかな・・。」









―――――― 


「おはようございまーす!」


「おはよう。珍しく3分前だね。」


「今日は信号に引っ掛からなかったので!」


「ねぇ後藤。後藤の【元カレ】ってなんて名前だっけ?」


「え~?いつの元カレですかぁ?」


「あの【3日で別れた】って言ってた労務部の変な人。」


「うっわ・・ヤエ先輩、嫌な事思い出させないでくださいよ~。」


「ごめん。でも名前を思い出せないと、
この辺のムズムズが治らないから。」


「もう忘れましたよ~!」




いや・・せめて元カノのお前は覚えてろよ(^◇^;)










―――――― 


「角松さん。資料ありがとね。問題無かったのでそのまま伝票処理お願いします。」


「分かりました。・・・あの南出さん。」


「うん?」


「南出さんの同期の、
あの変な人って名前なんでしたっけ?」


「俺の同期、いっぱい変な奴いるけど誰の事かな?」


「労務部にいる、ちょいちょい横文字挟んでくる変な人です。」


「あ~アイツか・・・あれ・・
・・名前なんだっけな・・。

変にキザな奴だから“キザ男”って呼んでるんだけど・・。」



いや・・せめて同期のあなたは覚えててくださいよ(^◇^;)


















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