角松 ヤエ 30歳 OL


―――――― 


「あ~~~~!!疲れたぁ~~~!」


15時のチャイムが鳴って、移動してきた自販機コーナー 兼 休憩スペース。


後藤がヘタァ~と倒れながら、

私とサチコさんは“ありがたや~”と仏様に感謝するように、

両掌をこすってMy Bossへ感謝して箱をオープンする。


「ヤエさん、予想通りケーキでしたね。」


「はい。今日の出張先聞いた瞬間すぐピンときましたからね。」


今日の塚本課長の出掛け先の近くには、これまで何度も地元テレビ局の取材を受けたケーキ屋さんがある。


実際に、ここで買ってきてくれた事が何度もある。


「モンブラン、チーズケーキ、チョコケーキ・・」


「はいはいっ!
私チーズケーキが良いです!」


後藤がピョンピョン跳ね上がりながら、
チーズケーキを紙皿へと持って行く。


シュークリームとかプリンとか、
1種類しかない場合の手土産。

ケーキとかパンとか、
数種類ある場合の手土産。


後者の場合、“誰がどれを食べるか?”という争いが発生しそうだけど、

私達にそんな醜い争いは勃発しない(・∀・)


「ヤエさん、じゃあモンブラン頂きますね。」


私達の場合、ケーキもパンも三者三様で好みがハッキリ分かれている。


もしこれが似た嗜好を持つ者同士だったら、“仁義なきじゃんけんバトル”が巻き起こるけど、

後藤は大のチーズケーキ好き。
サチコさんは大のモンブラン好き。


塚本課長はそういう“好み”も把握してくれているから余計に“ありがたや~”な存在だった。


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