角松 ヤエ 30歳 OL


―――――― 


「ヤエさん、お疲れ様でした。」


「お疲れ様でした。」


結局この日は一日中テトリス状態で、
あっという間に迎えた定時。



貴重な湖池屋プライドポテトを消費したくなかったので、

火事場の馬鹿力を発揮してなんとか残業は回避して・・

会社近くの最寄り駅でサチコさんとお互いの健闘を讃え合って改札で別れた。





≪ご乗車ありがとうございます。次は~≫


乗り込んだ電車。


朝の満員電車に比べれば楽だけど、
17~18時台の人混みもなかなか侮れない。


“連続 座れない記録”も127日の新記録を更新中。


「・・・・・・・・・・。」


ドアの近くに立って鞄からiPodを取り出して、
いつものように“通勤用プレイリスト”でも・・


「え、じゃあさっ。

[めちゃくちゃイケメンなんだけど、すっごい潔癖症な男]と、

[めちゃくちゃイケメンなんだけど、すっごいお金に細かい男]だったらどっちと付き合う?」


・・・・・・・ん?


「え~~?どうしよっかなぁ。」


私の斜め後ろに立つ女子高生ちゃん達が何やらすっごい面白そうな会話を繰り広げている。


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